11/28/2012

映画評:「ヒミズ」(園子温監督)

昨夜は遅くまで園子温監督の「ヒミズ」を見てしまった。
映画を見ている間に繰り返し心に浮かんだことは、もう、楽しいことしかブログに書かないぞ、ということばでした。

とにかくかわいそうな子供たちが出てくる。もともとこの映画をみたきっかけは、まずそもそもバンコクの駅前で売っていた、ということと、(つまり、数少ない日本映画20本くらいの1本として置いてあった)、園子温監督が震災後にガレキの中で撮った映画だということを聞いたからでした。

園子温が震災をどうしたのか、まずそれを見てみたかった。もともとヒミズは漫画のほうでは読んでいた。でも、なんかやっぱり暗いというか、ハートにこたえるので、わざわざ映画でも見直したいとは思ってこなかった。

とくに近年、ここ2年くらいか、震災以降なのか、暗い映画とか暗い小説とか、もういらない、という気持ちになっていた。欲しいのは希望だし、希望というほど深刻なものよりも、もっと「楽しげ」なものが自分の人生に必要だと感じていた。

深刻になるのは簡単だ。でも楽しげでいることはなかなかどうして難しい。つまりはご機嫌でいたいのだ。

で、噂は聞こえていたがなんとなく敬遠していた 映画「ヒミズ」であるが、昨日DVDを買って見てみた。

主人公の俳優、女優が素晴らしい。みずみずしいことこのうえない。

最後、走るシーン、あの、主人公の顔がすばらしい。クールにすべてを達観したかのように、諦観したかのように走り出す主人公であるが、茶沢のがんばれ!の声に、スクールウォーズの「悔しーです」の顔になってしまう。あの、どうにも胃から突き上げるものが顔をゆがめてしまうところに、ほっとした。

しかしあんなかわいそうな子供たちが実際にいるのだろうか。広い日本、1億人もいればいるにちがいない。いや、そういうことじゃない。もしかしたら、多くの子供が思春期をくぐり抜けてくるときに感じるやるせなさ、なのかもしれない。

そして、今朝、昨夜の衝撃か、はたまたただの夜更かしのせいか、朝から思い頭をゆらしながら通勤途中、映画のことをぼんやり考えていて、ああ、世間が狭いと子供が大変なんだな、と思った。

自分の周りの環境が苦しいとする。それは家庭だったり学校だったり、親戚、ご近所だったり、そのどこにも本物の感触がしない、というか、どうにもやるせない、とする。
子供は、大人になったらここを出ようと思う。出て行こう。どこか本当の人たちが住む場所へ行こうと思う。

で、適当に動けるような年齢になって別の街にいってみても、

あれ、なんか何書こうとしたか忘れちゃった。

やっぱりね、遠くまでいけば全然違う大人に出会える、そういう世界のほうが楽だ。テレビの影響か、そもそもそういうものなのかわからないが、出会う人出会う人がみんな同じ言葉を話すだけだとしたら、そこはちょっとした地獄、大きなゆるい牢獄だ。

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さっき、Macの電源が切れてしまった。なんと今日は電源コードを忘れてきてしまったので、いま家まで取りに帰っていました。

だからもー楽しげなことしか書かないって言ってるそばから小難しいこと書いちゃったなあ。いかんなあ。

今日はタイの「灯籠流し」みたいなセレモニーをやる日だそうです。オフィスでなにやら企画を用意してくれてるそうなので、楽しみです!

こんな感じかなw







3 件のコメント:

sola さんのコメント...

ヒミズ、わたしも昨日見たよ!正確にいうと、一昨日の夜中観たんですが、寝て起きて朝からもう一度家族で観てしまいました。

んで、たかさんはあれよ。楽しいことだけ書こうだなんてえらいもったいないですよ。あんまりかっこよくないこととかっこいいことをごっちゃにして小声で叫ぶ、そんな大人がいるって重要な事ですよ。子どもら的に。

Unknown さんのコメント...

お、ヒミズどうだった? 新作の希望の国も見たいよねえ。
おうよ、おれはどうせ楽しげなこと書けないらしいしね!なんでもごちゃまぜで”小声で”叫んでいきますよ、これかれもね!

sola さんのコメント...

そう、新作も来週いけたら見に行くのです^^
園さんかっけーよ 
テンションあがっちゃって、過呼吸になるくらい自転車こいじゃったもん。やっぱもういっかい観ようかな。
これからも陰ながら応援してまーす