12/20/2011

政治について

今朝は政治について思っていることを書きましょう。

あ、そういえばなんか原発の90%が停止しているらしいね。
このまま稼働しなければどんどん止まっていくというわけか。
廃炉にしても燃料棒は何百年も冷やし続けなくてはいけないと聞く。
しかしまあ、核廃棄物がこれ以上量産されないだけでも相当ましと言えよう。
日本としてやりとげなくてはならない。

ところで、
今回の震災で驚いたことは、
菅さん枝野さんが「ザ、日本の政治家」みたいな言語活動しかしなくなってしまったことだ。
ぼくはこの2人はそれまでの自民党の利権ベタベタ国民愚弄型の政治家とはちがう、と思っていたのだ。
菅さんなんかは市民派でならした人だし、野党時代はかっこいい言説が頼もしかった。
ぼくが住んでいた吉祥寺がお膝元で、菅さんが街頭に立てば黒山の人だかりができたものだ。

枝野さんなんかは、ぼくがチベット解放の東京デモに参加したときに、スピーチに現れ、
チベット弾圧をやめさせなければならない、と壇上で断言していた。
おりしも中国の胡錦濤大統領が来日真っ最中の出来事。なかなか気骨がある政治家だな〜って頼もしい気持ちでいたものです。やっと次世代の正しい政治家が現れたな〜って。

ところがその枝野さんにして「ただちには」発言を繰り返してしまった。
ただちには健康に害はありません、ってやつね。

あんな、どう聞いてもなにかをごまかしてるようにしか聞こえない、あとで「ただちには」と言いましたよね、「永遠に」とは言ってないですよね、的な小学生でもしない言い訳をできるようにしてあるんだろうな〜みたいなことをすぐ思ってしまうような、発言。
官僚の作文を読んでるんだろうな〜みたいな発言。
もしあれば、枝野さんの自分の身から出たことばであるならば、もはや枝野さんは生身の人間ではなくなっていたということなのかもしれない。

ぼくは菅さんや枝野さんをただちには批判する気になれない。
他に比べればまだ信頼できるましな政治家だと思う。
それでも、有事の際のああなってしまった。
これはもう個人の資質の問題じゃなく、日本のあの場所、政治の中枢の場所は、そういう人を人でなくしてしまう魔の場所なのだという解釈をぼくはした。

あり得ないことだが、もしぼくが内閣官房長官になってあの場所に立っても、おれなら政治生命をかけて真実を述べるね、とドヤ顔になることはできない。酒の席でも無理だ。
それほどあの場所は恐ろしい場所にちがいないく、それは利権がどうとか官僚がとか、CIAが、とか黒幕が、とかそういう具体的なことじゃんなく、もう様々な圧力をありとあらゆる方向から受けて、生理的に防衛本能がマックスになってしまう場所、信念を持ちながらもリスク回避型の発言しか口から出なくなってしまう場所、そういう場所なんだと思う。

そういう場所を日本はつくってきた。いやたぶん、昔はまだ気骨のある政治家、というのが存在しうる場だったのだと思う。戦前くらいまでは、しかし、敗戦、高度成長、人口増大、国際社会との経済的密な関わり、などなどの要素がかさんだ結果、もはやあそこは常人では制御不可能、まともな頭では立っていることすらままならない場所になったのだ。もう頭を多少麻痺させないと膝が折れてしまうような場所。

ぼくは一番大きな理由は人口増大だとにらんでいる。
なにかを集団的に一元化し、合議、決定するには1億人は多すぎるのだ。
人口の多さのせいで、日本は決断できない国になっている可能性をぼくは感じる。
他に人口の多い国、アメリカ、ロシア、中国などは、まるで独裁国家のような呈ではないか。
アメリカは民主主義の権化のはずだが、どう見ても議論の積み重ねで政策が決まっているようには見えず、アメリカは民主主義です、と言われてもハテナ?という感じ出し、中国、ロシアはまんま独裁です。

ここでおさらい的に世界の人口ランキングを見ておくと、

1 中華人民共和国(中国) 13億5,400万
2 インド 12億1,500万
3 アメリカ合衆国(米国) 3億1,800万
4 インドネシア 2億3,300万
5 ブラジル 1億9,500万
6 パキスタン 1億8,500万
7 バングラデシュ 1億6,400万
8 ナイジェリア 1億5,800万
9 ロシア 1億4,000万
10 日本 1億2,700万



こういうことになる。日本は10位。けっこう上位だ。
どうでしょう、人口トップ10の国で、民主主義がまっとうに機能している国があるでしょか?
インド、ブラジルあたりは可能性がありますが発展途上の国ですし、他はまだまだ独裁に近い国が多いんじゃないでしょうか。


まあ長くなってきたのでまとめますと、
政治の混乱は政治家の資質というよりは日本型システムの問題であり、
日本型システムの問題とは法律や制度の問題ではなく、人口が多いのに一元で合議しようとしている、という問題であるのではないか、と思うのです。


なんとなく理想的な国と言われている、デンマーク、スウェーデン、オランダ、はたまたブータンなどは、人口が日本の10分の1程度の小国なのです。

ちなみに、
デンマーク 550万人
スウェーデン:930万人
オランダ:1600万人
ブータン:72万人

つまり、このサイズの共同体なら、自治のよく効いた公正で目の行き届いたハッピーな政治システムを組める可能性がある、ということだと思います。

なのでつまり何だと言われると、日本の政治システムの突破口は、地方分権?なんかありきたりですねw
地方分家?国を分割?んーまあ答えはすぐにでませんが、なんとなくこの目の行き届く、構成員それぞれが自分の意志や振る舞いが共同体全体に少しは影響を与える、と感じられるサイズ、または、共同体の構成員の中で極端に貧乏だったり極端に虐げられた人が何人かでてくると、自分の生活をダイレクトにおびやかす、つまり犯罪の増加など、そういう「近い」感じをもった共同体のサイズで、大事なものごとを全部決めていくようになれば、あれ?あたりまえでしょ?というくらい政治の腐敗がなくなる気がします。

かつてオランダにいって一番衝撃的だったことは、オランダ人は政治家が「腐敗している」とは概ね思っていない、ということです。市長をこのまえ果物屋さんで見かけたよ、あの人いいひとなんだよ、みたいなノリがあるのです。ぼくが政治家って腐敗してるでしょう、と言ったとき、オランダのおじだんが、なんで?と聞き返してきたときの、え?ちがうの?オランダちがうの?という驚きは、やはり忘れがたいものがあるのです。

0 件のコメント: