11/16/2011

おれはローカルにはなれねえ

このまえ、ぼくがバイクをレンタルしているお兄ちゃんに、アパートを探しているのだが、と言ったところ、知ってるアパートを紹介してやろう、ということで見にいってきました。場所はなかなかよくて、海まで徒歩でいける静かな住宅地。

アパートに到着すると、ちょうどカップルらしき若者がお出かけするところでした。女の子のほうがニコっとしてくれます。うれしいです。

で、部屋を見せてもらいました。ローカル向けのアパートでした。
4部屋みたうちの2部屋にはまどがありません。広さは4畳半ほどでしょうか。水シャワーで、トイレは和式です。もちろんエアコンはありません。
んー、狭い。そしてちょっとカビくさい。
で、お値段は1500000ルピアとのこと。まあざっと日本円で1万2千円くらいでしょうか。たぶん交渉すれば1万円には落ちるでしょう。

アパートが月に1万円。安いです。これなら向こう1年間の家賃をガーンと前払いしてやってもいいでしょう。家賃が向こう1年支払い済みだなんて、もう大船の乗った気分で生活できるではありませんか!とりあえず住む場所はある、ということです。

でも・・・
毎日ここで何時間も過ごすのかあ、と思ったら、んーー踏ん切れないものがありました。
安い、ローカルの標準的な部屋、どうせバリに住むならローカルと同じ生活してみるのも悪くない、さっきのカップルは2人で住んでいるようだし、住めば都というし、お金だって余裕があるわけじゃないし、などなど頭を駆け巡ります。

しかし、ボディーが、わたしのボディーが、ちょっと待ってくれよ、急がないでくれよ、先月まで東京にいたんだよこの体は、ゆっくりいこうよゆっくり、ね、と待ったをかけてきています。
東京では、ワンルームの決して少しも豪華ではない部屋に住んでいたとはいえ、少なくともエアコンのある6畳ワンルーム、窓2面、日当たり良好、に住んでいたのです。
ぼくのボディーにとってはそれが2年以上慣れ親しんだスタンダードお部屋なわけです。そこでこそくつろげる、そんな体になってしまっているのですね。
もうそんな体に。

ぼくは、やっぱり、ホットシャワーは欲しい・・・窓はほしい・・・6畳はほしい・・・(エアコンは妥協できる)

ぼくは、案内してくれた兄ちゃんに、ごめん、他も見てから決めるからから。。。といってお茶を濁しました。
きっとぼくの顔は、ここは違うよ、と書いてあったことでしょう。

自分はやっぱ贅沢なのかなーーと思いつつ、バイクにまたがり、帰る途中、兄ちゃんが、なにやら話しかけてきています。なんだろう?と聞いてみると、
「もっと安いほうがいいのか?」と言っていました。
たぶん、ぼくには家賃をすこし高めに言っていたのでしょう、こちらではマージンをとるのは当たり前です。ですので、この気のいい兄ちゃんは、マージンを下げてもいいと思ったのかもしれません。ぼくは胸を少し痛めながら、「いや、ちがうんだ、やっぱりホットシャワーが欲しいんだ」と返答しておきました。事実でもあります。

そして、この日、ひとつのことがわかりました。ぼくはローカルと同じ生活はできないな。です。

いくら同じ目線に立とうと思ったとしても、もしかして収入もローカルそれほど違わないかもなのですが、それでも、長年の日本生活で、すっかりバリの中では贅沢といえる住環境に慣れきってしまった自分を自覚したのです。

だってやっぱり、ホットシャワーを浴びたい・・・

でも、こちらで長年住んでいる日本人などは、水でなんの問題もない、かったるくて温水なんか浴びてられないよーと言っています。きっと慣れるとそうなるのでしょう。

しかし、いまの俺は、誰が何と言おうと、贅沢と言われようと、やっぱり、住環境は日本と同じくらい快適じゃなきゃいや! なのでした。。

他のことはたいがい妥協できるつもりです。
洋服?毎日300円のTシャツを着ています。食事?毎日80円のナシチャンプルーで十分です。お酒?休日にビールを1本飲めれば十分です。
その他にめぼしいお金は使いません。欲しいものもありません。ただ、絶対必須なのは仕事道具としてのパソコンと、唯一の運動的趣味であるサーフボードだけです。
あとは、なんでも妥協できます。すべてローカル水準でOKなのです。高いレストラン、いりません。マッサージ?要りません。海外旅行?もう十分です。
だが、住環境だけは、お部屋だけは、そうしても守りたいラインがあるのです。

こんなぼくは贅沢でしょうか。そして、収入の半分近くも家賃に使うぼくは、おバカさんでしょうか。

金さえあれば・・・それはぼくが唯一、住環境のことを憂うときに出てくることばです。それ意外では、金があればなあ、とは実はあまり思いません。
なければないなりに遊べますし、なければないなりにやりくりしてきました。しかし、住環境だけは、如実に家賃に比例してしまう、それはバリに来ても何ら変わりはないのです。

快適お部屋に住みたいの。

このささやかな願望をなんとか死守して、守り通していきたいのです。そのために働いているのです、ぼくは。そのためならお金のために働くってことでいいのです。快適お部屋のためならば。

これほど自分が住環境にこだわりを持っているとは、実はバリ島に来て初めて気づきました。

しかしここだけは、譲れないのです。明日からまたお仕事がんばっていきたいと思います。


これが見学したアパート。決して悪くはない場所です。


2 件のコメント:

ばなな さんのコメント...

ホットシャワーっていってる時点でわぉって思った。あったかいのが当たり前。水?え?水?無理ー!って読んでて想像しながら寒くなった。そんな東京の今日の最高温度は15℃デス。

匿名 さんのコメント...

分かるわぁ。ホットシャワーのあのよだれが出そうな喜び。

まぁ無いならないで、なんとかなるんだけどね。
(でっかいバケツに沸かしたお湯淹れて水で割って、小バケツにて行水)
ちょっと出してホッとシャワー得られるならそのほうがいいよ。
われら日本人だ。

でび