今朝は、とてもいらいらしていました。
いろいろな理由がありますが、なにかこう今の生活がしっくりきてない、満ち足りていない感じがしていたのです。ひとつにはバリに来てからほとんど話せる友達ができていないということです。元から友達という人はいますが、もっといろんな人と知り合って、毎日だれかれとなく集まっているような状態をぼくは欲しているのです。そうです寂しいのです。
それは、ぼくがバリに来る前の東京ライフで、ゲストハウスなるところに2年半も住んで、すっかり集団生活に体が馴染んでしまったからでしょう。家に帰れば誰かがいる。それが当たり前だったのです。寂しくなったらリビングにいけば、誰かしらが相手をしてくれたのです
ところが今は家に変えるとひとりぼっち。近所にテイのいいバーもカフェもありません。日没から寝るまで基本ひとりぼっちなのです。うっかりすると、あ、今日はだれともしゃべっていない、という日さえあります。仕事もPCで自宅なのですから。
で、まずは日本人の友だちをてっとり早く増やしたいのですが、ここサヌール、日本人に出会いません。まったくいません。みんなクタ方面に行ってしまうのでしょう。欧米人もいません。いるのは年配のかたばかりです。ぼくが今求めているのはせめて同年代の友達です。いないのです。
で、あー場所が悪いんだな、もう引っ越すしかないな、という気持ちで、よし、思い切ってエリアを変えよう、もっと賑やかで日本人や欧米人がたくさんいるクタ方面に行こう、とこ心におおざっぱに決めると、とりあえず散歩に出かけました。
うざいタクシーの呼び込みにうんざりしながら、(毎日通るのに毎日言って来る。人の顔見てないんだな)海沿いを歩いていきました。とりあえず波があるか見に行こうかな。
すると、「アッー」みたいな呼び声に足をとめられました。バリ人は人を呼ぶ時にアッーみたいな声を発するのです。はっと振り返ると、見たことのあるバリ人がカフェでお茶を飲みながらこっちを見ていました。「今日、波ないよ」と語りかけてきました。
あ、この人は・・・そう、この人は、何を隠そう、ここサヌールのローカルサーフファーのヘッドみたいな人で、プロサーファーなのです。いつもいくサーフポイントで、いつも奇声を発しながらめちゃくちゃキレたライディングを見せているのです。
あ、ボスだ。
ぼくは、思わず敬語で返答してしましました。「そうなんですかー」
たぶん歳はぼくより下なんですが、サーフィンの現場ではもう段違いの上の上のひとなのです。思わず体が勝手に平身低頭してしまいます。
ボス「いつもブギボーやってるよね。おれ知ってる?」
おっとボスはぼくの顔を覚えていてくれたようです。そうです、ぼくはいつもブギーボード(ボディーボード)でやっているのです。
ぼく「知ってます。知ってます。プロの方ですよね?」
ボス「(照れ笑い:おーそこまで知ってたか~)」
ボス「今日の朝は波ないのに人いっぱい。どうしようもないよ」
ここで説明が必要ですね。そうです、この御方は日本語をお話になるのです。なんでも奥さんが日本人で、日本にも住んでいたことがあるらしいのです。では続けます。
ぼく「そうなんですかー。」
ボス「でもブギーボーなら今日大丈夫よ。まだ波あるよ」
ぼく「え、まじっすか、じゃあ行ってこようかな」
ボス「行ってきたらいいよ、ブギボーなら大丈夫よ」
ぼく「おれほんとはサーフィンやりたいんですよ。来週にはサーフボード届くんで。でもおれビギナーなんすよ。まだ始めて1年で」
ボス「ダイジョブ、ダイジョウブ、練習すればダイジョウブよ」
ぼく「そっすかー、とりあえずブギボーもって今から行ってきます!」
ボス「明日、波あるよ。でも朝のほうがいいよ」
ぼく「あ、そうですかー何時くらいですかね?」
ボス「7時半か8時くらいがいいよ」
ぼく「ありがとうございます!じゃあとりあえずブギボーとってきます」
ということで、ぼくは急遽Uターンしてブギボーを取りに帰りました。
そして、海に言ってきたわけですが、この会話には重大な意味があるとぼくは感じたのです。
ぼくは、いままで5,6回近くのポイントでボディーボードをやったのですが、そのポイントは波があるときはローカルでいっぱいになります。みんな上手だし、みんなローカルなので、ぼくは遠慮していつも隅っこでやっていました。そして、ボスとかが、こっちを見るたびに、「お前どこのもんじゃい」と言われている気がして、気が引けて気が引けてしょうがなかったのです。
サーフィンの世界はローカリズムがつきものですが、ここサヌールはとくにポイントも狭く、欧米人も日本人もほとんどいなくてローカル専用、みたいば雰囲気なのです。
これが僕が引越しを考えていた理由のもう1つでもあったのです。クタ側はポイントも広く、外国人もわんさか海に入っています。
で、もう今月にでも引っ越そうかと思った矢先の、ボスとの会話でした。
つまり、この会話をぼくはこう受け取ったのです。「お前、うちの海入っていいよ」
こういうお墨付きがボスからもらえた気がしたのです。
少なくとも、上記の会話したあとで、「おまえどっから来たの、ここはローカルのガイドと一緒じゃないと入れないよ」とか言ってはこないでしょう。おまえも波乗り一緒にやろうよ、そう言ってもらえた気がしたのです。
なんだか妙にうれしかったのです。ローカルに認知された。そんな気がしたのです。
これで、次からは少なくとも、「おれ、ここの海入っていいのかな」とは思わずにすむでしょう。
なにか小さい壁をひとつ超えた、そんな気がしたのです。
とはいえ、まだ肝心のサーフボードが出来上がらず、かれこれ一ヶ月も待っています。
しかし来週にはできてくるでしょう。
そんなことなので、あ、もうちょっとサヌールにいようかな、と思ったのです。
せっかくローカルのOKが出たっぽいし、もうちょっとここの海を楽しんでからでもいいかな、と。
まあ、寂しい夜問題は以前として解決していないわけですが、もうちょっとサヌールの海でサーフィンやってから、また考えよう、と少し踏みとどまったアフタヌーンなのでした。
最後に関係ないですが、よくいくワルンでよく食べる。チャプチャイの写真を載せます。
これはようは野菜炒めです。うまいです。
5 件のコメント:
孤独だよ、日本人1人というのは。
でも敢えて日本人のいるところに行かないことで得られるローカルの楽しみ・出会いの発掘が私は好きです。
まぁたまに日本語でだらだら気兼ねなく話せるお友達がいるがいないかでも違うけど。
こっちがココロを開けば、そのボスみたいに分かってくれる人っているからね。
ボス、ステキだなー。伊藤さんの日記ででびも嬉しくなりました。
いいね、なんかあるよね、こういうことって。人生の中で。
ちょっとしたきっかけ。
もういいや(怒)って思ったとたんに、あれ?、みたいな、いいの?みたいな。とかねw
でび、そうだね、逆に一人でほっつき歩いてるからローカルが声かけてくれるのかもしれないね。これはこれでいいことなんだろう。
まっつん、そうそれ。もうあかん!って極まったときに、あれ?って肩透かしのように次に展開した感じw
集団生活にカラダが馴染むってのわかる。
結婚して一人暮らし⇒二人暮らしの場合は感動でかいと思うんだけど
俺の場合、喜びなかったもん。
ゲストハウス経営しようよ!
少子化、経済不安定、震災、放射能とかいろいろ心配ごと多いし
江戸時代の長屋文化のリサイクル性のある生活は流行そう
日本人の新しい生活(帰る場所)を創造するのも面白いと思うよ!
ゲストハウスはいいよね。なんかファームとか海とかあるところでやりたいなー。
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