1/11/2013

Stay foolish

昨日、翻訳していた記事は、Stay young enough to do everything. というタイトルがついていた。何にでも挑戦できるだけの若さを保ちなさい、という感じだ。

この記事とは直接関係ないけど、この題名からぼくはスティービジョブズの Stay hungry Stay foolish. を思い出し、Youtubeでジョブズのスピーチ動画を見直してみた。

あれ?こんなこと言ってたっけ?以前見たときには見逃していたようだ。彼は、生まれてすぐ養子縁組に出されたそうだ。そのとき、本当の両親は大学院生で、まだ育てることができない。だから養子に出すのだが、迎え入れ先の条件として、ぜったいにこどもを大学までいかしてくれる人、というのをつけていたそうだ。

しかし、当初決まっていた迎え入れ先は生まれた赤ちゃんが男の子だと知ると、養子を辞退したそうだ。次に名乗りでてきたのは、男の子でもいいと言ってくれたそうだが、母親は高卒で、父親は高校さえも出ていなかったそうだ。

ジョブズの生みの母親は、最後の最後で養子縁組のサインを拒絶する。しかし、迎え入れ先の夫婦は、絶対にジョブズを大学まで行かせる、と約束したそうだ。それで、ジョブズは育ての親のところへ行った。

そしてジョブズは無事大学に入学するが、そこは私立大学で学費がとても高い大学だったそうだ。そして、両親が一生かかって貯めたお金があっと言う間に学費に消えていくのを目の当たりにし、その割に大学に通う事自体に意義を見いだせず、ジョブズは退学を決意する。そこからがジョブズのクリエイティブの旅の始まりだった。

つまりは、ジョブズは、自分の存在意義をかけてクリエイティブの旅をしていたのだろう。自分は何のために貧しい両親のお金を使い果たそうとしているのか、自分は何のために生まれたのか、と自分に問うたことさえあったかもしれない。

ジョブズのプレゼン能力とか、そんなのささいなことだね。

そして、とてもジョブズにはなれないと思う。もちろん、そもそも全然ちがうんだけど、つまり、ジョブズのクリエティブの秘密、とかなんとかをいくら盗んだって、なんだかぜんぜんちがう、と思う。おれは大学んとき、両親のお金の心配など一度もしたことはなかった。時代がバブルだったのもあるけど、適当に遊んで卒業して、そこそこの大手企業に入ればいいんだろう、とすべてをなめてかかっていた。

ところで。

いまトンローという大きな道沿いにあるスターバックスに来ている。ものすごく快適だ。パソコンを使ってくれと言わんばかりに、各席に電源が用意してある。金曜の夜8時。店内は6割ほどの入りだ。勉強をする学生、仕事する人、打ち合わせをしている人々だ。そういえば。バンコクではネクタイをしている人を滅多に見ない。電車に乗っていても、スーツをびしっと着込んでいる人はたぶん見た事がない。

ビジネスマンもいるはずである。半袖のシャツとか来てるのかな?ある意味、熱帯のバンコク、ネクタイにスーツなんか着てたら倒れてしまうだろう。日本では少しまえ、クールビズなるものがあった。今年もあったのかな?もう少し昔なら省エネルックだ。
なんで夏に着る仕事着を半袖ネクタイなしにするのに、首相の号令がいるのか。そんなの個人で、少なくとも企業単位で決めればいいはず。あ、そうか基本は公務員向けの号令か。でも、そういうのも何か外から見ていると滑稽だ。ほほえましくもあるけど。

さておいて。

日本全体がどういう方向に進むのか、などということは実はそれほど重要な問題ではない。日本がどういう方向へ進んだとしても、その社会の中で個人がどう生きていくのか、という問題はほぼ変わりなく残るだろう。ぼくにはそっちのほうがずっとずっとずっと重要なのだ。申し訳ないけれども。

なんて書くと、また、そんなこと言ってるわりにはお前いつまでもフラフラしてるな、はっきりしろよ、と自己つっこみがやってきた。申し訳ない。

かつて日本軍が中国軍よりも強かったのは(ぼくが読んだ文献が事実だとすれば)、それは、中国軍が大将の権威と威光と恐怖のもとに統率された寄せ集め、もしくは雇われ軍だったのに対して、日本軍は小隊単位で自己判断して戦闘を行える自立した個人(戦士)による軍だったからだそうだ。あ、思い出した、漫画「日露戦争」に書いてあったんだ。そして、戦う意志も集団ではなく、個人個人が有していたのだと。だから不利な状況でも決して逃げ出さずとことん戦ったのだと。

なんて話もあるし。

先日、ひょんなことから知り合ったタイ人の地元へ遊びにいってきた。市内からタクシーで45分くらい。ローカルな場所だった。友達はお寺でお供え用の花を売っていた。1つ20バーツ(60円)。お参りの仕方を教えてもらってはじめてタイ式のお参りをちゃんとしてみた。静かな気持ちになった。どんな遊んでいる若者でも、お坊さんのことはすごく敬っている。お寺の中ではびしっと礼儀を守っている。いい感じだな、と思う。もちろん、それは窮屈さにもつながっているのだろうが、俗世間のお金のルールとは違うルールで回っている世界も大切にされている、それはやっぱり人間にとって安全なことなのだろう。

ありがたいことにぼくも仏教徒なんだな、とお経を聞きながら自然に手を合わせている自分の身体の作法を好ましく思った。


先日、日本に留学したいんだけど、大学側とうまく連絡がとれない、というタイ人の相談にのった。というか、代わりに電話で話した。その大学の事務局は、英語が話せる人がいないらしい。僕が、タイ人の留学希望者が、メールを出しても返事が来ないと言ってますよ、と言うと、それは英語ですか?と聞く。そうです。と言うと、すみません、こちらに英語が堪能なものがいないので返信が滞っているのかもしれません、と言う。

留学生を受け入れている大学院の事務局に英語ができる人がいないのか。。軽くショックを受ける。かなり有名な国立大学である。で、ぼくがタイ人の子のかわりにいろいろ質問していると、すごく面倒くさそうに対応してきて、とりあえず募集要項を送るからそれを読んでくれ、と言う。

それも昨年度のだという。今年の募集要項はまだないんですか?と聞くと、「それどころじゃないですよ」と言った。

なんだか、、大変そうだ。。僕はかなりムッとしたけど、あまりに対応が悪いので、でも、これが何かを象徴してる気もした。まあここの大学だけの問題かもしれないけど、たぶんコストカットとかで人員も減らされ、事務局のスタッフも疲弊しているのだろう。タイからの来年の留学生のことなんか知らないよ!という感じだった。

なんて、もったいなことするんだよ、と思う。タイからわざわざお前のところの大学に金払って学びに行きたいって言ってくれてるんだ!と。おまえ、日本の大学教育なんて興味ない、って言われたらどうするんだよ、興味もってもらえる今のうちに、世界の若者に日本を知ってもらうチャンスじゃないか!と。だいたい金も払うっていってるんだぞ(しつこいけど、これってすごいことだと思うので。タイ人からしたら日本の学費は高いはず。なのに他の国じゃなく日本を選んでくれるありがたさを僕は感じるのです)

ぷりぷり怒って電話を切った。後日談によると、どうも受験条件が折り合わなかったそいうで、そのタイ人は別の大学を目指す事にしたとのこと。それはそれでよかったのかもしれない。まあ、事務局の対応と、大学の教育レベルは別ものだろうけれども。

でも、いまふと思うのは、日本はいっそ、いろいろ逆手にとって教育大国になればいいのかも、と思う。世界の、アジアの若者がみんな日本に留学したがるようになれば、外交上もかなりいい感じだし、日本びいきが増えれば経済などいろいろもプラスに決まっている。日本語も輸出できれば、僕みたいに日本語で仕事している人間は大助かりだ。日本語人口が増えるのはかなりいいことだ。

教育とはやはり、ビジョンだろう。世界をどうしたいのか、そのためにどんな人を育てないのか、そういうコンセプトというか、志が重要だ。たとえば、お金をたくさん稼げる人材を育てたいなら、それも1つだ。だが続く時代の価値観はそれではないだろう。

そんなことも思いを巡らしつつ、仕事に戻ります。



4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ご無沙汰〜! Yoko Sakata です。
たぶんね、来週センター試験だから国立大学とか大騒ぎで余裕ないんだと思う。でも、だからといって対応悪い言い訳にはならないけど。閉鎖的だね〜
バンコク大好き。コパンガンとかはいかないの〜?

Unknown さんのコメント...

よーこさんお久しぶりです!!!
そうか、センター試験で「それどころじゃない」だったんですね。こっちで察しなければいけなかったか。ならば許そう。
コパンガンは行く予定ないですねー。なんかまとまって遊ぶ余裕がないって感じです。でもビザとりに来週ベトナム行く予定です!
4月までいますよ!

匿名 さんのコメント...

ベトナム行くんだ〜! そちらはあたたかそうでいいね。東京は寒くて〜w 安倍が政権とってから日本は経済の話ばかりでうんざりw

Unknown さんのコメント...

ベトナムいってきます〜。バンコクは暑いですよw 日本は政治の季節がやってきましたね!