1/24/2013
帽子屋さんカフェ
今朝起きるとき、なにかさみしげな夢を見たようで、起きてからしばらくベッドから動きたくなかった(昨日は流星の夢をみて超きれいだったんだけど)。
でも、とりあえず今日も元気じゃないか、と気合いを入れてシャワーを浴びる。タイのシャワールームは簡素だ。換気扇もないし、シャワーとトイレが本当にいっしょくたになっていて、シャワーを浴びれば便器も水びたしだ。というかシャワーのついでに水洗いしちゃうぞ、という手軽さである。
どれもこれもタイの気候のおかげだ。つまり、冬がないので、シャワールームの窓なんて開けっ放しでいいし、床だってそのうち乾いている。暮らすのがイージーな土地だ。日本なんて、ご先祖よくがんばったな、あんな夏熱くて冬寒い土地で、と思う。梅雨も台風もある。でもそのおかげで、あれほど繊細でバラエティー豊かな文化が育まれたのだと思う。
そして朝の瞑想を執り行う。前にも書いたが、iPhoneのおかげですっかり習慣になった。手軽に時間を計測できるというだけのことで、習慣が1つ成り立つのだ。意志の問題ではなかった。
そして、オフィスへ向かう途中でいつものようにご飯を食べて行こうとするが、今日はなんだかどこもま満杯。お昼時間とガチンコ合ってしまったようだ。んーーと迷うも、並ぶのもいやなので、そのまま帽子屋さんへ行ってみた。
昨日行った帽子屋さんだ。コーヒーがお目当てだ。帽子屋さんは外のテラスでランチを終えたところだと言う。もうランチは食べられましたか?と聞くので、まだです、と答えると、試作中のサンドイッチをいかがですか?と言う。ぜひぜひ、ということでちょうどよい感じになった。
帽子屋さんの話がおもしろすぎて、2時間くらい居座る。コーヒーのおかわりもごちそうになった。ものすごくかいつまんでいうと、帽子屋さんはタイや日本だけのマーケットだけを考えているのではないという。日本人がタイで帽子をつくってほかの国に売ったっていいはずだ、と言う。中国や台湾華僑やユダヤ人はみんなそうやってるぞ、と。
たしかに。なんかそれを聞いた瞬間にアドレナリンが少し出た。おっとそういう発想なかったね、俺。スケールでかいね、帽子屋さん。そのほかにも、タイの格差社会の仕組み、日本の「常識」のおかしさ、ビジネス成功者のアンテナの張り方、などなどたくさんのお話を聞く。
最後に年齢を交換したら、わりと年下だったので、まあ見た目からわかっていたけど、うっっとなる。お若いのにご立派。おれなんておれなんて。。うう。。でも、面白いからまた来ます、ということで席を立つ。
いろいろ新しいことを聞き過ぎて、あたまがぼやーんとしているけど、ひとつだけ書くと、タイの社会システムについて、んーどう考えればいいんだろう、と、なった話。
タイは、超格差社会らしい。王族と官僚、一部のお金持ちが富の大半をぎゅうじっていて、それは親から子へとひたすら受け継がれるそうだ。相続税もなく、所得税もとても低いそうだ。ある意味、一部の上流階級が庶民から富を吸い上げているとも言える。でも、庶民はひたすら王族を愛し尊敬し、王族は庶民のためにそれなりのインフラと社会保障を整備している。
だから、庶民が庶民として生きていく限りは、それほど困らない。通常医療もほとんど無料らしいし、学校だって行ける。ただ、階層を移動することは非常に難しい。貧乏な家に生まれた人が、お金持ちになるのは難しいらしいのだ。日本などよりはずっと。
でも、それはそれで社会は安定している。国民は各階層に分かれて、おのおのの生活を謳歌している。微笑みながら暮らしている。ぼくもタイの印象はとにかく「明るく平和」な国だなあ、というものだ。
でも、この仕組みを日本に持ってって、階層社会つくって安定させて、それぞれの階層でそこそこ楽しく生きていきましょう、と言ったらみんな納得するだろうか。しないだろう。平等への志向がずいぶん強いのが日本の特徴のようだ。そういうことも、アジアで暮らしていると見えてくる。日本での実感とは逆というか、世界から見たら日本はまだまだ平等社会なのだという事実。まあどこと比べるかによるけどね。北欧なんかはもっと平等度が高いのだろう。
幸せってなんだかよくわからないな、って思い始めてしまった。格差社会と知っても、タイってみんな(日本より)幸せそうな顔してるよなあ、っていう体感はやはり変わらないのだ。
でも、僕の周りのタイ人は比較的裕福な人たちばかりだからかもしれない。知らないうちに金持ち階層とだけつき合ってるのだろう。英語が話せるというだけでそれは上流階級なのだ、たぶんこの国では。だから、中流以下の人とは友達になりにくいのだろう。
で、やっぱり思うのが、上流、中流、といってるけど、それはいったい何の指標なのか、ということだ。まあお金のことだけど。教育レベルも比例しているし。
まあまた話飛ぶけど、日本はタイを参考するわけにはいかないだろうな、と思う。やはり日本国民は、格差がなるべく少なくて、それでいてみんなそこそこ自由、という方向へ舵を切りたがってるはずだ。じゃあお手本はやっぱりスウェーデン、デンマーク? なんか違う気もする。
てなことを考えながらも、帽子屋さんみたいな人に出会うと、もう少し海外にいてみようかな、という気持ちもワイてくる。なんとなく、やっと今ぐらいから何かがわかってくるんじゃないか、という予感がした。
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