楽しいとは何か。それが大命題なのです。あるとき、とある高齢者の方にくどくどとお悩み人生相談を聞いてもらっているとき、「あなたは何してるときが一番楽しいの?」と聞かれました。僕はうっと言葉につまり、何も言えなくなってしまいました。即答できなかったのです。これといった趣味もない私です。そのときはたぶん、友達と酒を飲んでしゃべっているとき、などと答えたと思います。でも我ながら、情けない回答だな、と思っていました。
なにかに情熱を燃やしている人が昔からずっとうらやましいのです。
それはさておき、昨日は、通っているコワーキングスペースがクリスマスパーティーとのことで、仕事はちょっとお休みで、昼間からゲームやなんやにいそしんでいました。わたくし、この手のパーティーはあまり楽しめないタイプ。はめが外れないのです。でも、まあそこそこはしゃいだあとに、男ども6人でバークローリングに行こう!ということになる。
バークローリングとは、バーをはしごすることです。なんと9つのバーを回るまで帰らない、という。えーーおれ絶対無理、と思いながらも、帰ろうかな、と思いながらも、せっかくタイでタイ人たちが誘ってくれたんだから行ってみよう、と思い直す。しかも前日に寝るのに失敗して2時間ほどしか寝てない。既に眠い。しかし、まあ2軒ほどつきあって適当に切り上げようと、というつもりで一緒についていきました。夜の9時くらいです。
最初、一件目は軽く腹ごしらえしようということで、近くのカフェバーに。チャーハンとビールを頼みます。店の隅でターンテーブルが奏でる薄暗いテーブルを6人で囲んでビールをちびちび飲んでいたら、なんだかひどく懐かしいある感覚がやってきました。
なんだろう、これは。なんか、静かにわくわくしているような感じです。お腹の底のほうから、静かにしかしふつふつと何かがこみ上げてきます。それははっきりと体感をともなった感覚です。あまり味わったことがない。近年では覚えがないが、たしかにかつて味わったことがあるような感覚です。
なんだろうな、これは。寒い冬にココアとか飲んで、じわーーとくる、あれが逆の方向で、腹の底のほうから胸のあたりにこみ上げる感じです。それが繰り返し繰り返しやってきます。それはいうならば、安心感をともなったワクワク感、という感じでしょうか。
たぶん、これから地元のタイ人に未知のナイトスポットを案内してもらう、いったいどんな場所に連れていってもらえるんだろう、というどうしようもなくワクワクした気持ちと、なんとなく顔見知りのメンバーに囲まれて気兼ねなくできるという安堵感のミックスしたものなのでしょう。
そんなシチュエーションは別に珍しくない気もしますが、たとえば他のメンバーと2人でバーやクラブに行くときには感じたことがない感覚です。6人というのがなにか鍵なのかもしれません。ちょうどいい人数です。心細くもないし、多すぎもしません。
ということで、寝不足とアルコールとでなんだかわからないうちに9軒回ってしまいました。とくにこれといって事件もなく、ハッピーもありませんでしたが、またやりたいな、という後味が残りました。今度は女の子も少しいたほうが楽しいかもしれません。ただグループで騒いでいただけでしたが、なんだ妙にいやされる感じがありました。
ということで、意外なことに、仲間と酒を飲んで騒いでいる、というのがぼくの最も楽しいことなのかもしれません。あんまりそういう場面を率先して作ろうとしてこなかったし、誘われてもおっくうになって断ることも多かったのですが、あれあれ、おれこういうのがすごく好きなのかもしれない、なんて思っていました。たぶん僕以外の人にとっては、そんなの楽しいに決まってんじゃん、ということかもしれませんが、自分ではあまりそう思っていなかったのです。
僕が唯一はまったスポーツにして、100%の絶賛を与えるサーフィンにしても、ひとりで黙々とやっていると次第に飽きてきます。やっぱり誰かと海にはいってはしゃぐ、というのが楽しいんですね。
そういうことの重要性をあんまり考えてきませんでした。逆にいえば、いままで恵まれていたというか、酒を飲んで騒げる仲間がいつでも近くにいたということなのかもしれません。外国にいて、始めてそういうことの重要性がわかってきた気がします。自分にとっての。
今日もやっぱり寝坊してしまったのですが、いそいそとオフィスにでかけ少し仕事をこなす。昨日バークローリングに出かけたメンバーが5人そろっていた。最後までいた3人で、マッサージに行こう、ということになり、さっき行ってきました。タイマッサージです。かなり気持ちよかったです。腕がいい。そして、またあの、静かなわくわく感がありました。
気兼ねない仲間と、未知の体験、その2つがそろうとき、この感覚がやってくるのかもしれません。今後追求していきたいところです。
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