3/21/2013

暑いけど風がある


今朝、起きて、オフィスへ向かうとき、風が吹いてきた。
いま、バンコクは夏に向かうところで、日増しに暑くなっている。
昼間などは頭がぼーっとなってくる。
この先、いったいどうなるんだ?と思っていたが、朝方、風が吹くようになった。

前から吹いていたのかもしれないが、朝、オフィスに向かって歩き出すと、まず、排気ガスの臭いがむわああっと漂ってくる。うへー臭い、と顔をしかめるも、この道を歩いていくしかない。

タイ人たちも耐えかねるようにで、女の人などは口にハンカチをあてていたりする。
そういえば、タイ人の女性は、モタサイ、つまり、バイクタクシーに乗るときに、横乗りをする。いわゆるお嬢様座りをするのだ。みんながみんなだ。

見ていてもアブなっかしい。うしろにコケたらどーするのだ?でもみんな優雅に、でも暑さと匂いに顔をしかめながら乗っている。

そんな大通りのわきの歩道を、テクテクと一駅分歩くのが日課だ。
そんなとき、ふわーーーっと風が吹いてくると、一瞬、心だけ立ち止まる。

あー気持ちいいな、と思う。そして、いま外国にいるんだな、という感じがふわっとやってくる。あ、いま俺タイにいるんだな。

あ、この感じは、と初めての海外旅行、インド旅行を思い出す。
あの日、あの朝、夜中の便でデリーについて、真っ暗な中をホテルまでたどりつき、泥のように眠った翌朝。目が覚めて、一瞬、ちいさなパニックにおちいる。あれ?ここはどこだ? 明らかに見慣れない風景。石の壁、石の天井。木の扉で閉じられた小さな窓。

あ、そうか、おれはインドにいるんだ。と、思った瞬間、体中をじわーーと喜びと興奮が駆け抜けた。あーおれ、インドに着いたんだ。

まだ信じられない感じのボクは、ぼうっとした頭のままで、小さな窓を開けてみた。うわー。見た事の無い風景。赤茶けた大地と、赤茶けた建物たち。徹底的に乾いた空気。
あーーここはインドだ。ほんとうにインドに来たんだ!

あの朝の感動は忘れられない。わくわくが止まらない、わくわく死してしまいそうな感じ。その後、帰国するまでの3週間は、まるで夢の中にいるようだった。

あのときの感動の何十分の一でしかないかもしれないが、それでも、ささやかな実感は湧いてくる。ああ、俺は、いま、外国にいるんだ。

でも今の僕には、外国の風景よりも、日々の仕事や生活が大事で、今日も、急ぎ足でオフィスへ向かう。今日中に片付けたいことがあれとこれと。そして、今日は、いつものブランチプレートのカレーを少し多めにしてもらおう。と野望する。

今日は、となりに日本人の男の子が座っている。2週間いるのだという。バンコクでも何かをやりたいと言っている。俺はなんだかうれしくなった。でもこれはなんだろう?と思う。普段、道や、ラーメン屋や、アパートのエレベーターなどで、大勢の日本人とすれ違う、でも、僕はなぜか顔をうつむかせてしまう。あまりしゃべりたくないのだ。ただの人見知りもある。だが、どこか、避けたくなる気持ちがある。

でも、オフィスで日本人に会うと、うれしくなる。どこか仲間的な意識になるからだろうか。それとも、自分が気に入っている場所で出会う同胞だからだろうか。僕はアリジゴクのように待っている。この場所で、このHubbaというコワーキングスペースで、面白い人たちがやってくるのを待っている。待ち受けている。

僕は、積極性がないので、こうした場所はありがたい。出不精なので、いろんな場所やイベントに出掛けていって、人と知り合うということがほとんどない。僕は待ち受けタイプなのだ。じっと息をひそめて待ち、窪地に落ちて来たアリには、そそそと歩み寄るのだ。

よく日の当たった白い壁を見ている。木の陰が揺れている。意識は子ども時代に飛びかけている。よく晴れた日に、母と姉と洗濯物を干した。そんな記憶があるような、ないような気がした。




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