昨日、もしかすると、はじめて、サーフィンで斜めに(横に)滑れた記念すべき日なのかもしれない。
こういうことがあった。
昨日、サーフィンを教えることになっていて、少し時間があったからひとりで遊んでいた。波は小さく、うねりはなくスープばかり。だから何ら期待をいだかずに、準備運動ぐらいのつもりで遊んでいた。すると、すこしうねりらしき波がひゅーっとやってきた。あ、あれ乗ってやれ、と思っていつものようにパドリング開始、波がきたので、よっこいしょっと立とうとしたら、あれ?なんか左の脇のあたりから押されている感覚が。あれ、横から押されてるよー、いっしゅんどうしようか迷う。ぼくは、サーフィンレッスンで一番大事なポイントとして生徒達に口をすっぱく言っているのが「前を見る」ということ。下を見るとバランスをくずしてします。かならず、遥か遠く、まっすぐ前方を見ながらボードに立て、ということだ。どうしても足下をみたくなるが、それではだめなのだ。
ということもあって、まっすぐ前を見ながらパドリング、テイクオフしようとしていた矢先だった。まっすぐ前をみて、そっちの方向に行こうとしているのに、波が横から押してきたのだ。脇を差される感じだ。おいおい、おれまっすぐ行きたいのに、横から押すんじゃネエよ、と一瞬だけ思う。だけど自然とボードが右斜めにわずかに向けられてしまって、どうしてもまっすぐならない。あ、そうか、これは横にいけばいいのかも。ということで、右斜め、ボードが向けられた方向に向かって立ち上がってみた。
すると、するーーーっと岸のほうまで連れていかれた。しかし、なんとなく海面を見つめてしまったので、自分が実際にどの方向に滑ったのかは定かではない。本当はまっすぐ滑っただけなのかもしれない。だが、体感的には「あれ?これ新しい!」という未体験な感触があった。するーーと滑って着水。あれ?もしかしていま横にすべったのかも?という感じになった。
その後、ていのいい波が来なかったので、もう一度それを味わうことができなかった。が、これはもう僕のなかでは「横に滑った記念日」にしようと決めた。たぶん横に滑ったのだ。ささやかながら。
というわけで、もうバリもあと4日というときに、次のステップへの足がかりをつかんだ気がした。してしまった。一瞬、あ、しまったバンコクなんか行くんじゃなかった。このままサーフィン練習すれば横に滑れるようになるのかも、という思考がよぎる。しかし、しかし、そんなものだろう、とも思い直す。これはバリ島が最後にくれたささやかなせんべつなのだと解釈した。
だが、忘れないように書き残しておこうと思う。次回、バリ島に帰ってきたときは、あの日の感触から始めるのだ。波が勝手に横から押してくる。それに素直に乗っていく。それだけでいいのだ。そこには、緻密な計算も多大な腕力も必要なかった。たぶんあれこそが、正真正銘、波に乗る、ということなのだ。あのスムーズさが鍵だ。
次回は、ここから始め、これを追求する。どうせ体育系ではないおれだ、いかに労力を使わずに波に乗るか、その研究をはじめるのだ。それこそがおれのサーフィンなのだ、という革新の芽生えをもって、今日の記念碑とする。
つーか、サーフィンやっぱ面白いわ。
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